この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。
今回は売買物件についてのお話です。
数ある業種のなかでも、離職率の高い業界である不動産会社には、常に新入社員が入社しては退社していきます。中にはいきなり逃亡するような非常識な輩も多く存在する業界です。
そのような闇は別として、やる気をもって入社した新入社員の方に
不動産の知識をつけていただきたいという思いでこの記事を書いていこうと思います。
不動産の調査をする上で重要な5つの事
不動産の調査を行う際、この5つに絞って調査を行えば、ほぼほぼ調査報告はできます。
- 現地の情報
- 売主、依頼者など当事者や関係者の情報
- 権利関係(法務局)
- 役所関係(行政)
- 上下水道やガス、電気など
順番にまとめていきましょう。
1、現地の情報
不動産の該当の場所だけでなく、近隣の環境や、隣地との境界、前面道路などの情報を調査します。ここでの項目をもとに権利関係や役所関係の調査も行っていきます。
権利関係や役所関係の調査が終わったあともまた必要に応じて現場を調査します。
2、当事者、関係者の情報
売り主、買い主、代理人の関係書類をもとにヒアリングしていきます。
なぜ売ることになったのか、などは概況を知るために不異常に重要な項目です。
また借地人、借家人、分譲マンションであれば管理人や管理会社など物件ごとに大きく変わる項目です。疑問点があったら、残さずかならず調べつくしましょう。
3、権利関係
権利関係は、ほぼ法務局で調べることになります。
現在では登記簿謄本はネットでも取得できますが地番がわからなかったり、不動産自体の対象範囲や担保価値、債務状況なども調べる必要があります。
ネットで取得できるものも慣れるまでは法務局に実際に足を運ぶほうがよいです。
4、役所関係
役所関係の調査も権利関係同様、ネットでもある程度はわかります。
主に、市街化区域なのか市街化調整区域なのか、また用途地域は何なのかなど調べることはほぼ決まっています。
5、ライフライン
上下水道は日本全国津々浦々まで網羅されているわけではありません。
都会でも、以外な場所は下水道が整備されていなかったりもします。
前面道路に水道はあるのか、水道の経(太さ)は何ミリなのか
電気ガスはあるのかなど調べることはたくさんあります。
現場に行く前に住宅地図をみろ
売物件の依頼を頂いた際、まず、一番最初にするべきことは
「住宅地図」をみることです。
1、売り物件が、その住所にあるのか。
こんな初歩的な詐欺を行う人も中にはいます。
初心者である新入社員の契約ノルマに追われている心のスキマを狙った寸借詐欺に
ひっかからないためにも、そもそもその住所が存在するか、くらいはまず確認しましょう。
2、近隣にある建物や施設について(工場やお墓など)
隣地が会社名になっている場合、どんな会社なのかも現地にいって調べられるよう
社名を予めネットで検索していきましょう。
工場などの騒音や臭気も気になるところですし、嫌忌施設であれば売物件の査定にも響きます。概ね売り主は、マイナス査定になりそうなことは言わないのでこちらで調べましょう。
3、周辺施設や道路などの環境
どこにどんな施設があるのか、主要道路からのアクセスや、駅などの施設
地方の場合、駅からのアクセスよりも商業施設のほうが重要視される場合もあります。
住宅地図をまず読み込んで現地の地図を頭にたたきこんでおきましょう。
不動産会社の多くは体育会系なので「まず現場をみてこい」と言われますが、
現場に行く前に「まずは住宅地図をみろ」が正解です。
いきなり現場にいっても、何をすればいいのかわからないので時間の無駄です。
売り物件の大まかな価値を判断する
売り物件を、調査する際は大きくわけてこの3つのことを調査します。
- 利用価値
- 手続きの安全性
- 担保価値
この3点は非常に重要です。
1、利用価値
土地のみでも、土地建物セットの場合でもその不動産に利用する価値があるのかを見極めます。利用価値とは、「どういうふうに使えばこれは利益を生むのか」ということではなく
「建物が傾いていないだろうか」とか、
「地中に危険な埋設物がないだろうか」などの適法性などの情報をチェックします。
2、手続きの安全性
再建築不可であるか、は重要なポイントです。
一見、建てられそうな土地であっても、おもったほどの建物が法的に建てられなかったり、
そもそも建物をたてられないエリアであったりという問題はよくあります。
自分で判断できない部分の場合、経験豊富な上司とともに見極めていきます。
3、担保価値
登記簿謄本を取得して乙区に記載されている情報をみたり、近隣の相場を調べたりして
担保価値があるのかも調べます。