退去時の原状回復をめぐって今後の賃貸運営は「正直」さが最大のポイントだと思った

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1月~4月のこの時期、入退去がすすんでくる季節です。

敷金返還請求の訴訟で借主側が勝訴の報道があってから、約10年ほど経ちます。
世の中から居住物件の敷金や保証金はゼロになる物件が増えているように思います。

理由は、「どうせ返すなら保証金をとる意味がない」からですが、
最近は、保証会社への加入が必須になっていたり、大家向けの保険なども登場し始めていることもあり、保証金をとったり、連帯保証人をとったりするケースは徐々に減ってきているように感じます。

入居時のそういった費用負担が軽減されるにともなって、少しづつですが、退去時にかかる費用への不満もだんだんと表面化してきており、原状回復費用、鍵交換費用などの退去時にかかる費用負担についても、判例もでてきています。

そういった流れを受けて、今後賃貸経営では情報を公開し、
正直に契約をしていくところが勝ち残っていく賃貸事業者なんだろうと思ったので、
そうおもった理由を説明していきます。

理由その1、情報はすでに公開されている

「賃貸入居時に●●万円お得にする方法!」とか、「悪徳不動産業者に騙されるな」的なYoutube動画やブログなどは検索すれば山のように情報がでてきます。

中には再生回数やPVを稼ぐために煽りに煽ってわざと、大切な情報を抜いて書いてあるような情報もあり「管理会社、大家=資産家・悪」というステレオタイプな悪意があるものもありますが、実際、悪意をもって「ボッタクって」いた管理会社もあったことも事実です。

借主だけが手厚く保護される流れは、貸主として今後の経営方針を考える上で無視できる流れでもないですし、今後、さらにこの流れは加速していくものと思います。

理由その2、仲介会社も正直経営が増えている

ふたむかし前のように、賃貸物件を探すために、わざわざ不動産屋に手ぶらでいくような人はほぼほぼ皆無で、今ではネットで検索して、あたりをつけて探しに行くということがスタンダードです。

そうなれば、仲介会社としても「色」を出して選んでもらう必要があるため、引っ越しした人がまた引っ越しするときにつかってもらうために選んでもらえる仲介会社になりたいとしてこういう管理会社はやめたほうがいいとか、こういう契約書は気をつけたほうがいいといったアドバイスをしていく業者が増えてくるように思います。

理由その3、信用がステータスになる

不動産屋のイメージは、「せんみつや」と呼ばれるほど嘘が多く、騙されるイメージをもたれることも多かったのですが、最近では、だんだんと正直な業者が増えてきているように思います。以前は多かった、おとり広告なども、「おとり広告の見分け方」といった情報が反乱することで、段々と駆逐されてきたように思います。

やはり人間、一度、嘘をつかれたり、騙されたりした業者のことは信用できません。

自分の物件に住んでくれることが、今後一生なかったとしても、人と人のつながりの中で

「あそこの大家さんは信用できるよ」
「あの管理会社の管理物件は管理がしっかりしてて住みやすいよ」

といったことが紹介につながったりといったケースももちろんありますが、その言葉自体が、評価としてステータスになる時代がきているように感じます。

まさに賃貸物件が食べログのような状態になる時代がくるように思います。

まとめ

現にある契約は、その契約が有効になりますが、新規で契約をしていく場合、契約条項を家主側に一方的に有利な条文だけでガチガチにしたところで、無意味ですので、国土交通省のガイドラインにそった入退去の進め方がスタンダードになってくるんだろうと感じています。

参考資料:国土交通省ガイドライン
https://www.mlit.go.jp/common/001016469.pdf