生活保護受給の入居者が入院した場合のリスク

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こんにちは。

生活保護受給者の住宅扶助を目当てにした不動産投資をする方も
多いと思いますが、おもわぬリスクとして死亡時と入院時のリスクがあります。

つまり

生活保護受給者が入院し、入院が長期化した場合
家賃(住宅扶助)の支払いがストップします。

このあたりを少し詳しく説明したいと思います。

家賃がストップするリスク

実は生活保護受給者で単身世帯又は複数世帯でも世帯員全員が入院している場合
入院期間が6ヶ月を超えた場合
3ヶ月以内に退院見込みがない場合は住宅扶助の支給がなくなります。

自治体によっては見込みがないからという理由で解約通知すらせずに勝手に退去しようとする悪質な自治体があります。

現在管理している自治体の援護課がまさしくそうで、解約通知もなく当月に勝手に解約したつもりになっていたり、入院が2ヶ月しか経過していないのに退院の見込みがないからと勝手に住宅扶助を打ち切ったりと、やりたい放題です。

幸い、保証会社加入の入居者のため、ある程度は補償されそうですが、保証会社未加入の入居者であれば回収に時間がかかり、骨折り損になることが必定です。

さらに、退去にあたっては家財処分費は保護費の対象ですが、
退去にあたっての清算金である

  • 解約事前通知違約金
  • 清掃費
  • 破損・汚損に対する補償

これらはすべて受給者の自己負担になりますが・・・

無い袖は振れないのに放置する行政の怠慢さ

そもそも金がないから生活保護なのに、退去にあたっての清算金は受給者自己負担でとりたてろというのは無理筋ですが、それが行政の方針ですのでどうしようもありません。

結果、受給者の住まいは大した修繕がされることもないボロ部屋になることが多いです。

福祉を受けているんだから、我慢しろということなのかもしれませんが、
貸しているオーナーサイドからしては非常に迷惑な話です。

住宅扶助目当ての不動産投資はそもそもアリなのか?

ぶっちゃけ個人的にはアリの物件とナシの物件にわかれると思っています。

というのも、生活保護受給者を入居させるもっとも大きなメリットは住宅扶助です。行政から直接振込にしておけば、とりっぱぐれはありませんし、無駄なやりとりや回収の手間もありません。

メリットがあればデメリットも存在します。そのデメリットのひとつが上記にあげた清算金などです。生活保護受給者の中には身寄りがない方もいますので連帯保証人になれる方がいないケースが殆んどです。

保証会社への加入ができる受給者はまだいいのですが過去の滞納履歴など様々な事情で加入できない人も多くいることも現実です。

転売目的の投資物件情報の利回りに乗らないリスク

空室が長期間続いている場合、そういった方を住宅扶助目当てで入居させることがあります。

それ自体は別に悪いわけでもありませんし、受給者の住まいを提供することは福祉の面でも非常に有益なことだと思います。

また、受給者を対象としている場合、サラリーマン大家さんが増えた今となっては昔ほど手軽に募集できるわけでもないですが、今でも比較的、容易に募集できますし条件さえ選ばなければ入居者は探すことができると思います。

ですが、ここで問題なのは、自らが管理していたりする場合で、そもそも受給者を対象としてリスクを承知で運営をしているのであれば問題ないのですが、利回り目的で投資物件を購入した場合でこういった受給者が多く住んでいる場合があります。投資物件で満室にして転売することを目的としている場合、表面上の利回りにでてきますので、非常によくあるケースです。

生活保護受給者の情報は基本的には個人情報ですので、公開されることはありません。

もちろん投資物件を購入するにあたって入居者の情報は得られるのですが、検討段階でどの部屋の誰が受給者なのかまではわかりません。

一般的には利回りの数字で検討していきますが、じっさい管理をはじめて、記事の冒頭で書いたような負担がオーナーにのしかかってくることがあります。

結論

様々なリスクをヘッジしながらするのが不動産投資です。

投資は自己責任。くれぐれも「住宅扶助」が単なる甘い蜜だと思わないように気をつけましょう。